ダイアローグ型カウンセリング とは
こんぱすの森カウンセリングルームでは、所属セラピスト2名によるダイアローグ(対話)形式のカウンセリングを行っております。
「オープンダイアローグ」マインドを取り入れたもので、1対1ではなく、カップルや夫婦、親子など、問題を抱える本人とその関係者が集まります。
立場に関係なく全員で会議をするように、一緒に時間をかけて生まれてくる信頼を作っていく中で、クライアント側に余白が生まれ、意思決定に参加することに実感を持つことができます。
「対話」によって総合理解を深め、「違い」を叩くのでも、「結論」を急ぐのでもありません。
また、複数の専門家を含むチームによるカウンセリングのメリットは、セラピストとクライアントという力関係になりやすいのを避けることができ、また、転移感情も生じにくくなります。
オープンダイアログとは
1980年代にフィンランドのケロプダス病院で始まった精神療法で、実践のためのシステムや思想を指す言葉でもあります。ミーティングには、患者、家族、友人、医師、看護師、セラピストなど、患者に関わるすべての人が対象となります。ミーティングは基本的に全員参加で、医療チームでの話し合いもすべて患者の目の前で行い、患者の同意なしに進めることはありません。医師の指導を仰ぐなどの上下関係はなく、専門家も家族も友人も同じ立場で発言をし、耳を傾けます。
これまで薬を使うことが前提だった統合失調症の治療が、対話だけで解決していて、西ラップランド地方では、入院治療期間が平均19日短縮され、再発がないか、軽微なものに止まっていた患者は82%、再発率も24%と大きな成果をあげています。
オープンダイアローグは、単なる手法ではなく、対話や支援者の「あり方」です。子育てやいきづらさを抱える人々への支援、そして支援者自身の学びの場として、幅広い可能性を持つものとして、日本での模索が始まっています。
また、オープンダイアローグの対話実践は、ライセンスなしでの実践が禁じられているわけではなく、『オープンダイアローグ対話実践のガイドライン』(オープンダイアローグ・ネットワークジャパン)で基本的な考え方とやり方をしっかり理解して、実践してみることを勧められています。
当サロンのセラピストは、このガイドラインと日本の第一人者である精神科医の斎藤環先生が出版されているオープンダイアローグ関係の本を参考にして、可能な形での実践をしています。
『オープンダイアローグがひらく精神医療』日本評論社
『開かれた対話と未来』医学書院
『臨床心理学113 オープンダイアローグ』金剛出版
創始者のひとり、ビルギッタ・アラカレさんの言葉で「理解を共有すること、『これが答えだ』というものはなく、答えを一緒に作り上げていくこと、それが一つのプロセスに過ぎないということ」の元、ダイアローグ型のカウンセリング をクライアントと一緒に作っていきます。