ファミリー・コンステレーション(家族システム療法)とは

ファミリー・コンステレーションは、家族療法をベースにした心理療法です。
家族の座、家族布置、システミックセラピーとも呼ばれます。

私たちの悩みや問題は、個人的に抱えているものという認識があります。

ファミリーコンステレーションでは、個人の苦しみの原因をその内面に探るのではなく、その個人が所属する「家族システム全体」の中にひそむ問題と捉えます。現家族だけではなく、世代を遡って持ち越されているものも少なくありません。

過去の出来事を知らないとしても、無意識の中で影響を受けていることで、現在の私たちの悩みや問題として表出していることがあります。
たとえば、なぜか自暴自棄に生きてしまっているAさんの問題を見ていくと、知らされていなかった死産の姉の存在と母親の絶望感がひそんでいました。また、なにか辛いことがあると「死にたい、消えたい」という思いに駆られるBさんは、戦争で亡くなった祖父の痛みを背負っていました。

このように、今、現れている悩みや問題は、私たちの所属する家族や家系の歴史の中にある大きな痛み(事故や戦争によるトラウマ、忘れられた存在、隠された存在)にたどり着いていきます。これを「家族のもつれ」、または「見えない忠誠心」と言います。

「もつれ」の背後に、私たちが想像もしなかった光景や、家族の誰かを深く思いやる心が発見され、もつれを解いていくことで、深いつながりとシステム全体の愛の流れが取り戻されていくのです。

私たちは、自分の内側にある命の源との深いつながりを感じ取ることができた時、本来の等身大の自分自身に戻り、今までとは全く違った視点と新しい可能性が広がります。それは、明日に踏み出す原動力となり、きっかけの鍵となるものです。

ファミリーコンステレーションができること

・夫婦の問題
・親子の問題(親との確執、子どもの問題行動)
・社会への不安と恐怖(外に出られない、仕事に就けない)
・苦しい恋愛(見捨てられ不安、別れを繰り返す、結婚できない相手を選ぶ)
・人が怖い
・感覚がとても敏感、繊細(人の気や場のエネルギーをもらいやすい)
・存在することへの罪悪感
・お金を得ること、使うことへの罪悪感
・衝動的な激しい怒り
・孤独感
・疎外感
・転職を繰り返す
・恋愛、アルコール、ギャンブルなどの依存
・摂食障害
・健康上の問題

また、ファミリーコンステレーションでは、家族の問題だけではなく、職場のモラハラ、パワハラや人間関係、会社の運営など、人や組織が抱えるあらゆる問題への取り組みが可能です。

お子さんの不登校や引きこもり、問題行動などへのアプローチも効果的です。この場合、お子さんというよりも親御さん自身に働きかけることで大きな変化のきっかけのひとつとなります。

会社の経営や運営上の問題、職場の不和、個人事業主の起業支援などは、「ビジネス・コンステレーション」として効果を上げています。

ワークショップの流れ

グループカウンセリングという形で進めていきます。
※問題を感じている方、問題を抱えている方のみご参加ください。ご家族全員の参加は不要です。

①インタビュー
ご自身の問題を取り扱う場合、「働きかけを受ける」という言葉を使います。
働きかけを受けるための情報として、事前に家族や家系の出来事についてお知らせいただきます。

ファシリテーター(セラピスト)はインタビューを通して、働きかけを受ける人の問題を共有し、必要な情報を聴きながら解決を目指します。

②コンステレーションを立てる
コンステレーションは、当日の参加者が家族の構成メンバーや要素の代理をすることで成り立ちます。
代理をする人のことを「代理人」と呼びます。

働きかけを受ける人は、参加者の中から代理人を選び、自分の感覚に沿って配置していきます。
これが星座のように見えることから「コンステレーションを立てる」と言います。
そして、少し距離をとって全体を俯瞰します。

代理人は、自分を感覚器としてその場に身を置きます。自分の思考や感情はいったん脇に置いて、その場で湧きあがる身体の感覚に耳を澄まし、代理人を体験するという状態です。

③もつれを紐解く
ファシリテーターは、全体の配置や代理人の感覚、その場で湧き起こる現象を使って、問題の根源となる家族や家系の「もつれ」を探っていきます。必要に応じて、働きかけを受ける人もコンステレーションの中に入ってもらうこともあります。
代理人が表現することと働きかけを受ける人の抱える問題をつなぐ、橋渡しのような仕事をすることで、もつれを紐解いていきます。
最終的に、その場にいる代理人全員、働きかけを受ける人が最も安定する配置で終わります。
(エネルギーが一番高まった状態でコンステレーションを終えます。)

その場にいる全員で、働きかけを受ける人の問題解決に向かって力を合わせていくのが、グループカウンセリングの醍醐味ともいえます。

また、その場にいる参加者それぞれが、内側に共鳴することがあり、新しい気づきや観点をもつことも少なくありません。

ファミリーコンステレーションを使った個人セッション

個人セッションでは、お人形を使って代理人と同じように配置していきます。
基本的なセッションの流れは、ワークショップと同じです。
事前に家族や家系の出来事についてお知らせいただくこともお願いしています。

・他人の前で、自分の問題を話すことに抵抗がある。
・他人の影響を強く受け、会場にいるだけで疲弊してしまう。
・ワークショップの日程や時間を合わせることが困難。
・緊急の案件で、ワークショップ開催を待てない。

このような方は、個人セッションがおすすめです。

個人セッションでは、ご自身の問題を、より俯瞰して多面的、多角的に捉えることができ、ワークショップとはまた違った深い効果を得ることができます。
どちらも現実で行動に移していくための原動力を得るには大きな効果を上げています。

ファミリー・コンステレーションの歴史

「ファミリー・コンステレーション」は、ドイツ人の心理療法家バート・ヘリンガー氏が確立したグループカウンセリングの手法のひとつです。家族療法の創始者バージニア・サティアを源流とし、NLP、交流分析、原初療法、ゲシュタルト療法など多くの手法を取り入れて、「ヘリンガーによるファミリー・コンステレーション」として大きく発展しました。その理論は会社や企業、組織運営に応用され、現在、欧米はじめ、30カ国に及ぶ世界に普及しています。
また2001年以降、バート・へリンガーのファミリー・コンステレーションは変容を遂げていきます。現在は「ニュー・ファミリーコンステレーション」と呼ばれていて、従来のファミリーコンステレーションとは区別されています。

当カウンセリングルームでは、従来の古典的なファミリーコンステレーションを提供しています。

ファミリーコンステレーション・ファシリテーター

当カウンセリングルームのセラピスト2名は、ファミリー・コンステレーションの日本での第一人者であり、「コンステレーションズ・ジャパン(旧へリンガー・インスティテュート・ジャパン)」代表のチェトナ小林氏のもとで3年間のトレーニングを終えました。
その後も、トレーニングやワークショップに参加し、研鑽を続けております。

【担当セラピスト:しまむらまゆこ】

2015年からコンステレーションズ・ジャパン(旧へリンガーインスティチュートジャパン)によるトレーニングに参加。8期、9期、10期受講。
自己研鑽を深めながら、個人セッション、ワークショップを提供している。

【担当セラピスト:渡辺べん】

2015年からトレーニングに参加。8期、12期受講。
心理セラピーにファミリーコンステレーションの手法を取り入れ、ワークショップを支える。

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